9月の十五夜が過ぎた日のことでした。「先生、昨日のお月さま　まんまるだったよ！」と朝の挨拶も忘れるほど嬉しそうに教室に入ってきた子どもたち。毎日、おうちの人と一緒に月を眺めては、丸くなる日を楽しみにしていました。

　この月への興味は“まる”という形の興味に発展しました。粘土でお団子を作ろうと試行錯誤しながら、「丸くしたい！」と頑張ると、「まんまるできた！」と歓声が上がったり、「あれ？へびになっちゃったよ」と笑ったりしていました。この年令の子どもにとっては、丸を形作ることはなかなか難しいことなのですが、楽しみながら、繰り返し取り組んでいました。また、ふわふわしたお花紙を「おいしくなーれ」と優しく手で丸めて、お月見団子やぶどうも作りました。小さな手で感触を楽しみながら、形をイメージし、力加減を工夫する。２才児なりの造形の始まりです。